2019.10.09 歯医者のむし歯体験記 vol.07

 割れている根の周りは慢性炎症がおきています。歯周病やむし歯などの化膿や鼻の炎症なども慢性炎症ですが、これにより全身に炎症物質がまわり、悪影響を引き起こすことが基礎と臨床医学の最近のトピックになっているようです。

 歯の治療で根にヒビが入っていますと言われたことのある人はこのブログを頷きながら読まれていると思います。根にヒビが入ってくると根の表面と歯肉のくっつきがその部分だけ悪くなってしまいます。姑息的な手段としてその隙間に細い歯間ブラシを入れて、細菌のかたまりを崩し、消毒薬で洗うというやり方があって、私もそれを日々続けていました。

 でも、ヒビの部分が拡がってきたのか、歯がだんだんぐらついてきたように感じてきた頃、今度は悩んでいる左上とは反対の右下の一番奥歯が同じようなことになってしまいました。
 これでは諦めざるをえません。抜いたあとのことを考えると憂鬱になりますが一大決心をしました。当医院では難しい親知らずの抜歯をお願いしている新潟大学歯科口腔外科の先生に抜歯をしていただきました。

 この2本の歯のおかげで色々なことを経験させてもらいました。それは今の自分の臨床にとても役立っていて私と同じようなめに合わないように、患者さんにアドバイスしています。

 セラミックで美しい歯を取り戻したり、インプラントでまたしっかり咬めるようになったり、できるだけ歯を削らないで白いレジンという硬い樹脂を詰めるなど、歯科の技術はとても進歩しています。とは言っても天然の歯に勝るものはありませんから、万が一むし歯になって治療が必要になったら、やり直しをしなくていいようにしっかりとした治療を受け、悪くならないように定期的に歯科医のチェックを受けた方が良いです。そして、私のように治療したものが欠けたり、外れたりすることは何かの原因があってのことですので、すぐに治療するのではなく患者さんによく説明してくれる歯科医を選んだ方が良いです。ヒビの入った歯に対する治療についてはホームページの土台づくりのところに動画をアップしてあるので、ぜひご覧ください。

これでこのブログは終わります。拙文に付き合っていただきましてありがとうございます。
これから先の治療については矯正編となります。